神無月の季節となりました。旧暦時代の十月は既に初冬というのに、異常気象の今年は、つい先日まで堂々の30度の気温。これでは神様も涼しい場所へ避難したくなるというもの。
神無月という名には諸説あり「な」は連帯助詞で「神の月」というのが有力との事ですが、10月に全国の神社の神様が、その年の運や縁を決める会議のために鳥取の出雲大社へ出向き、神が不在となるからという説の方に風情を感じます。反対に神様だらけになる出雲の国は神在月(かみありづき)と呼ばれるようになったとか。
八百万(やおよろず)の神がいると信じられてきた日本の国らしい逸話ですね。
自然のものには、すべて神が宿っているというのが八百万の神の考え方です。山の神様、海の神様、田んぼの神様、トイレの神様、台所の神様など、米粒ひとつにも神様がいると信じられてきました。子どもの頃、うす暗い部屋のどこにでも神様が祭られていたのを思い出します(え?いつの時代のひとかって)
だから、米粒ひとつも無駄にしてはいけないという教えが、伝えられてきたのでしょう。
一説には神様と人間との関係は一方通行ではないのだとか。お互いを助け合い、高めあう存在でなくては「開運」につながらないそうです。
神様との良き隣人関係を結び、神様から多くのプレゼントを受け取れるように、秋の夜長に一度、神様をよく知ってみるのもよいのではないでしょうか。(2023/10)
『最強の神様100』八木龍平著、1650円、ダイヤモンド社