ケアマネジャーとは、困難な場面や課題に立ち向かうことが多い仕事です。すぐ辞める人が多い一方で、大きなやりがいに魅せられて決して職を離れようとしないベテランとよばれる人たちがいます。
その人たちはどんなに多忙でも、おそらく頼み込めば依頼を受けてくれるものです。昔から「大事な仕事は忙しい人に頼め」といいいますよね。
この人と狙ったケアマネには、あきらめずに交渉するのが、その後の間違いない介護のためには得策だと思います。
彼らはいかにして、ケアに関わる人々の課題をとらえ、どのように解決策や経験談を共有していくのか、ケアマネの仕事のしくみを知り、理想的な協働介護を目指し家族の負担を軽減しましょう。
ケアマネの判断で介護の良しあしが決まる
ケアマネジャーは利用者さんのケアに取り組む中で、様々な困難に直面しそのつど早急で適切な判断を求められます。
ケアマネジャーは実際の現場でどんな決断や対応をしているのでしょうか。
彼らの役立つ知識やベテランの域のスキルとは何でしょうか?
ケアマネの仕事内容はどれだけページを費やしても、書ききれるものではないほどあらゆる分野にわたります。とりあえず、主要な内容だけを取り上げてみたいと思います。
ケアプランの調整
利用者さんのプランを作成する際は、様々な要素を考慮します。
健康状態や生活環境はもちろんのこと、家族のサポート体制やご近所との交流状況、またどのような価値観を持った方なのかなど多くの要素を確認判断していきます。
利用者さんのニーズに合わせた最適なケアを提供するためには、双方に時間と精神的な負担を伴いますが、ベテランの彼らは経験によるノウハウやツールを活用し、効率的かつ的確に対応していくことができます。
サービスの提供
サービスの提供には、時間や介護度による制限、また予算の制約があります。
利用者さんの希望ばかりを優先するわけにはいきません。
そこでは、利用者さんやサービス事業所が納得し、気持ちを一つにできるための交渉スキルがケアマネに求められます。普段から事業所と交流を持ち、お互いの理解と信頼度がものをいうのです。
月に一回の決まった訪問日だけでなく、必要時には身軽にしかも自然に訪れて、利用者さんと親身なコミュニケーションを取ることができるなど、ケアマネの本質が問われるところです。
家族とのコミュニケーション
利用者さんとのケアに、家族のサポートは非常に重要で無視できません。
しかし、家族とのコミュニケーションには大きな困難もあります。
いまだに、家族で介護ができないことを、後ろめたく考える肉親の方が多いのも事実です。
そういう方は、ケアマネをはじめ支援者を素直に受け入れることができないため、ケアマネは家族の希望や意見など本音を聞くことができず、プランがうまく機能しないことがあるものです。
その場合、ケアマネは提唱や働きかけのスキルを駆使し、家族の心理的負担を軽減し、共通の目標を設定し円滑なコミュニケーションを図り信頼関係を築いていきます。
介護保険発足から時代は変わり、介護は家族だけで背負うものではなくなりました。
国で、自分の街で地域で見守るものになっています。
まとめ
ケアマネの動きひとつで、利用者さんのその後のケアの状態は大きく変わってきます。
誰でも良いわけでは決してありません。
スキルや裁量の違いで状態が改善もし、悪化もするのです。
つね日頃から親身で、ともに共感してくれるケアマネさんなら間違いないでしょう。
ケアマネはみずから介護をすることは無いのですが、考慮を重ねた自分のプランで利用者さんの改善がみられ、生活の質が向上したならケアマネとしてこんなにうれしい、誇らしいことはないのです。
もし、ケアマネにかかわっていく中で「これは?」と疑問が頭をもたげたなら、そのケアマネさんと膝をつき合わせてよく話し合ってください。それでも自分の意に沿わないと感じたのなら、決して我慢せず、遠慮なく担当ケアマネの交代を申し出てください。
自分で言いにくいのであれば、地区の包括支援センターに相談すれば穏便に、また親身に援助していただけるでしょう。