認知症研修(法定研修項目より)

法定研修=連載=

認知症と一口に言っても、現在は主に以下の4種類に分類されます。

  1. アルツハイマー型認知症
  2. レビー小体型認知症
     ※さらに「認知症型」と「パーキンソン病に伴う認知症」に分類
  3. 前頭側頭型認知症(FTD)
  4. 脳血管性認知症

認知症のタイプにより現れやすい症状が大きく異なるため、
どの型の認知症かを正確に把握し、適切に支援方法を変えることが重要 です。
今回はレビー小体型認知症(DLB)を取り上げます。

レビー小体型認知症を理解する 〜支援の第一歩は“気づき”から〜

認知症にはいくつかのタイプがありますが、私たち現場の支援者にとって
どの認知症なのか」を把握することは、実はとても重要です。
症状の出方が違えば、関わり方も大きく変わってくるからです。

今回は、研修でも取り上げられることが多い レビー小体型認知症(DLB) について、事例をもとに考えてみたいと思います。


◆ レビー小体型認知症の特徴

レビー小体型認知症では、以下のような特徴がよくみられます。

  • パーキンソン病に似た手の震えや突進歩行
  • かなりはっきりとした幻視
  • 認知機能の波が大きい(いい日と悪い日の差)

初期には穏やかな時間もあるため、ご家族が「急に態度が変わった」「人格が変わってしまった」と感じることが多い疾患でもあります。


◆ 事例で考える「支援の難しさ」

夫婦二人暮らしのケース。
夫が認知症と診断されており、最近は以下のような症状が続いていました。

  • 妻への暴言・暴力がほぼ毎日
  • 近所に出ても周囲へ暴言
  • 家では幻覚を見て妻が困惑
  • サービス担当者にも暴言・暴力があり、ケガをしてしまうことも

主治医から薬は処方されているものの、
妻は「薬はよくない」という考えで服薬を中断していました。

それでも妻は「夫婦で家で生活を続けたい」という強い希望を持っています。


◆ このケースから分かること

この事例の症状は、アルツハイマー型より レビー小体型認知症に特徴的 なものが多くみられます。

また、アセスメントでは生活歴がヒントになることがあります。

  • プライドが高い
  • 責任ある立場の仕事をしていた
  • 人をまとめる役職を経験してきた

こうした背景は、レビー小体型認知症の方に比較的多く見られる傾向です。

支援に入るときは、
「その人がどんな人生を歩んできたのか」
という視点が非常に重要になります。


◆ 支援に必要なのは“チームの連携”

幻視や興奮などの症状は、
適切な薬物調整で改善することが多くあります。

そのためには、

  • 専門医の診断
  • 服薬調整
  • ケアマネ・サービス担当者との情報共有
  • 家族への説明

こうした チームケア が欠かせません。

一人の支援者だけでは難しいケースこそ、
多職種で支える体制が在宅生活の継続につながります。


◆ 次回予告

次回は、認知症の方にみられる
アパシー(意欲低下) について取り上げる予定です。